◎2023年に慶讃法要
本年もようこそ御正忌報恩講にご参拝くださいました。全国から親鸞聖人をお慕い
する皆さまがご参拝くださり、ご一緒におつとめをし、お念仏申させていただく尊い
ご縁であります。
さて、本年は、御正忌報恩講の最初の日にあたります1月9日に、「親鸞聖人御誕
生850年・立教開宗800年についての消息」を発布いたしました。4年後の20
23年に法要をおつとめいたします。
立教開宗八百年とは、親鸞聖人が浄土真宗のみ教えを説かれて800年ということ
で、この間、今日まで多くの先人方によってみ教えは受け継がれてきました。それは、
時代が変わっても、み教えが私たちが生きていく上での依りどころ、支えとなってき
たからです。
親鸞聖人は、私たち人間を自己中心的な凡夫であるとみられ、その凡夫に向けられ
た阿弥陀さまのおはたらきを明らかにされました。どのように時代や場所が変わろう
とも、自己中心的な凡夫であるという私たち人間の姿は変わりません。ですから、い
つの時代においても浄土真宗のみ教えが、その時代の人々の生きる依りどころとなる
のです。
◎自己中心的な自身に気付く
ところで先日の新聞に、昨年1年間に日本で交通事故で亡くなった方が統計を取り
始めてから最少になったと出ていました。それでも、平均すると毎日約10人の方が
交通事故で亡くなっています。しかし、その10人が私ではない、あるいは私の家族
ではないという保証はありません。また交通事故だけではなく、病気や事件などによ
って突然命を失うということも、昔に比べればその数は減っているかも知れませんが、
この私がそうならないということにはなりません。
お釈迦さまはこの世界の真実を、諸行無常という言葉で明らかにされました。私た
ちはこの真実に気付くことなく、自己中心的な考え方で日々の生活を送っていること
が多いのではないでしょうか。
親鸞聖人は、そのような私を真実の世界に導きたいという阿弥陀さまの願いと、そ
のおはたらきを説いてくださいました。み教えを聞かせていただくことで、私たちは
自己中心的な自身の姿に気付かされるとともに、摂取不捨という阿弥陀さまの広大な
お慈悲の心に気付かされるのです。
今日、特に日本では少子高齢化や核家族化、過疎・過密などの社会状況とも相まっ
て、み教えを伝えていくことが非常に難しくなっていますが、ご参拝の皆さまには今
後もみ教えを聞かれますとともに、一人でも多くの方々にみ教えを伝えていただきた
いと思います。
そして、4年後の親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の慶讃法要をともに
お迎えいたしましょう。
本日はようこそご参拝くださいました。
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