皆さまと共に親鸞聖人750回大遠忌法要をお勤めし、ご満座を迎えようと
していますこと、ありがたく尊いご縁であります。
このたびのご法要を前にして、東日本大震災が起こりました、その後も台風
の上陸などがあり、また海外ではタイの大洪水など、自然災害が多くありまし
た。現在でも多くの方が先の分からない困難な生活を送っておられます。
世間一般では、災害の発生直後は大きく報道され、多くの方が関心を持ち、
ボランティアなど被災された方に寄り添おうとされました。しかし、時間の経
過や新たな出来事の発生によって、少しずつ関心は薄れてきています。そして、
被災された方に寄り添う気持ちも薄れてきているのではないでしょうか。
しかし、時間が経過しようとも、親しい方を亡くされながら、生き残られた
方の悲しみや苦しみが薄れることはないでしょう。
浄土真宗のみ教えを聞かせていただく私たちは、阿弥陀如来のはたらきによ
って、自分自身の真実の姿に気づかされます。それは煩悩を抱えた姿であり、
自己中心的な考え方から離れられない姿であります。阿弥陀さまのお救いは、
自己中心的な自分を肯定することなく、しかし、煩悩を無くすことも出来ない
私たちに向けられています。
東日本大震災で被災された方や、私たちの周りで、様々なことで苦しみや悲
しみを抱えておられる方に寄り添う気持ちを持って、南無阿弥陀仏とお念仏申
す人生を送らせていただきましょう。
今日はようこそご参拝くださいました。
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