御消息等

■前門さま(即如上人)からのお言葉
                 《2014(平成26)年6月5日御影堂にて》

   
    
   おかげさまで、この日を迎えることができました。
   退任に際して、申すべきことは、昨日発布いたしました消息に記したとおりですが、
  かさねて、感謝の意を表し、少し、補足いたします。
   まず、在職37年2カ月の間、宗門の歩みを共にし、私と坊守裏方を支え、助けて
  くださった方々に、心より、感謝申しあげます。力の及ばなかった点が多々あります
  が、皆さま、よく、辛抱してくださいました。それぞれの場で、努力を重ねていらっ
  しゃる僧侶、寺族、門信徒の方々の姿に励まされた37年でした。
   印象に残る事柄はたくさんありますが、あえて、二つだけ申します。
   一つは、組巡教を果たし遂げることができたことです。多くの方々のお世話になり
  ました。さまざまの貴重な体験をいたしました。なかでも、組の連続研修の成果を実
  感する得難い機会でありました。
   もう一つは、念仏奉仕団のことです。宗祖聖人にお礼をし、自発的にご奉仕してく
  ださることは、まことに有り難いことです。これこそ、本願寺は、平生もいきいきと
  したお寺であることがわかる大事な活動です。
   この際、一つだけ、希望を申します。私たちの宗門は長い伝統がありますが、それ
  だけに、いささか閉鎖的になり、仲間が増えることを喜ばない場合があります。御同
  朋とは、一切衆生であるという考えもあります。現実的に考えて、そこまでは難しい
  としても、同じ、宗祖のみ教えをいただくもの同志、広いこころで新しい朋を受けい
  れていきたいものです。
   今後は、新しい本願寺住職・門主、坊守・裏方と共に、時代即応の、さらには、時
  代を先取りした活動を進めてくださることを願っております。
   長い間、有り難うございました。